旬のフルーツで変わるクランブルと、季節ごとのタルティーヌ
手づくりの店HANNAHのデザートで一番よく話題に上るのが、注文後に焼き上げるクランブルだ。旬のフルーツ・生シナモンの生地・自家製アイスクリームという構成で、フルーツは季節のものに入れ替わる。イギリスの伝統菓子を、焼き立てという形で提供することへの執着が、このメニューには宿っている。
天然酵母パンのタルティーヌも、フランス式のオープンサンドとして季節ごとに具材が変わる。「次は何が乗っているんだろう」という気持ちで再訪する人が多いという声が聞かれ、季節を更新するたびに来店動機を作り出している。個人的には、この「必ず変わる」設計が、店との関係を長持ちさせる仕掛けになっていると思う。
農家直送の野菜と、北海道産クリームを使いきる厨房の流儀
農家から直接届く野菜を、添加物なしで調理する。北海道産の生クリームは使いきれなかった分をチーズやサワークリームに加工し、次の料理へとつなぐ。食材を無駄にしない、という態度が日常的な厨房の習慣として根付いている。
こうした使いきりの発想は、コスト管理ではなく素材への敬意として語られることが多い。「料理の背景にある考え方まで伝わってくる」という感想が利用者のあいだで出るのも、その文脈が料理を通じて見えているからかもしれない。
2種のコースとおまかせ対応——来店回数を重ねるほど広がる選択肢
料理コースは2パターン用意されており、お菓子だけのコースも独立して存在する。常連やアラカルトを食べ尽くした客には、相談のうえでオリジナルのおまかせコースで対応している。季節の食材を軸に構成されるため、同じコースでも訪れる時期によって内容が変わる。
誕生日・記念日にはバースデーケーキやサプライズ演出のプラスオプションも受け付けている。特別な日に使いやすい店として知られるようになっているようで、記念日利用の予約が入ることも少なくないと聞く。
調理師と製菓衛生師を両取得、16歳から積み上げたキャリア
外山ハナさんは16歳で飲食の世界に入り、フレンチ・イタリアン・パティスリー・和菓子の現場で経験を重ねた。調理師と製菓衛生師の資格を持ち、La butte boiseeやRose Bakeryといった場所でキャリアを形成。フランスやジャージー島、インド、台湾など各地で食を体験してきた。
調理師専門学校の卒業後に複数の現場を経て開いた店が、週2日・少席数というスタイルを選んでいる。規模より質——そういう言葉がよく似合う一軒だ。


