木の端材を燃やすペレット窯という選択
PIZZA Gran-Boisの味づくりの中心には、ペレット窯があります。木の端材を圧縮して作ったペレットを燃料にし、薪窯と同じ550℃近い高温で一枚を一気に焼き上げる方式です。高温で短時間に焼くことで、表面にはカリッと香ばしい焼き目が付き、中はモチモチとした食感に仕上がります。木由来の香りが加わるため、電気やガスの窯では出せない奥行きのある風味が生まれます。
この窯を選んだ理由には、味だけでなく合理性もあります。ペレットは薪よりも燃料費を抑えられるため、その分をピザの価格に反映できるという発想です。端材を使うことで木を無駄なく活用でき、地球環境への配慮にもつながっています。二俣川という地域に根ざした店として、こうした姿勢を運営の軸に置いています。
高温の窯が引き立てるシンプルな一枚
ペレット窯の力がもっとも分かりやすく出るのが、具材の少ないピザです。マルゲリータのようなシンプルな構成でも、高温で焼くことで素材の存在感が際立ちます。完熟トマトソースにモッツァレラとバジルを合わせただけの一枚が、生地とソースの質だけで成立するのは、この焼成方法があってこそです。25cmで1,200円という価格は、窯の選択によって抑えられた結果でもあります。
焼成にかかる時間はおよそ10分です。テイクアウト専門店として、モバイルオーダーで時間を指定すれば焼き上がりに合わせて受け取れる仕組みになっています。混雑時には焼く順番を調整しながら、受け取り時刻に間に合うよう仕上げていきます。個人的には、窯という一点にここまで理屈を通している店は珍しいと感じました。
窯だけでなく生地と菓子にも生きる高温
ペレット窯の恩恵は、ピザにとどまりません。窯の熱を利用した石窯オーブンでは、フィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子も焼かれています。遠赤外線でじっくり火を通すため水分が飛びにくく、しっとりとした仕上がりになるのが特徴です。150円という手に取りやすい価格で、元パティシエの手による一品が味わえます。
土台となる生地も、この高温の窯と相性よく作られています。イタリアのカプート社の小麦粉を使い、冷蔵庫で数日間低温熟成させることで、小麦の香りと甘みを引き出しています。じっくり発酵させた生地を550℃で一気に焼くことで、耳まで香ばしく仕上がります。営業は11時から22時、月曜と第三火曜が定休。窯を起点に、ピザから菓子まで一貫した味づくりが組み立てられています。


