一年中あんこう、そして関東唯一の刺身
あんこう鍋といえば冬の味覚だが、食彩 太信では一年を通して味わえる。関東ではここだけというあんこうの刺身まで出せるのは、大津港のすぐそばで独自の加工がすぐに行えるからだ。濃厚な味わいのあんこう鍋、水を一切使わず旨味を凝縮させた漁師直伝の無水どぶ汁と、あんこうの奥深い魅力を余すところなく引き出す料理が揃っている。
来店客の声にも、その特別さははっきり出ている。一年中あんこう鍋が食べられること、関東でここだけのあんこう刺身が味わえること、さらに地元の岩牡蠣まで楽しめることを挙げ、茨城県民という贔屓目を抜きにしても勧めたいと綴った客がいた。平目の漬け丼を目当てに、釣りの帰りに毎回立ち寄るという常連もいる。
目利きが選ぶ、その日の地魚
食彩 太信の魚は、運営元の株式会社まえけんが大津港と勿来港で自ら競り落としたものだ。仲買人として買い付け権を持ち、水産加工から卸業まで一貫して担うため、抜群の鮮度と豊富な魚種を両立できる。漁港からの仕入れゆえ、その日に何が揚がるかは分からない。刺身盛り合わせに魚の名札を添えるのは、その多彩さを目で楽しんでもらうための工夫だ。
個人的に印象的だったのは、お通しに出るのどぐろの肝煮を絶賛する声だった。味が濃すぎず肝のねっちり感が最高で、これで250円という価格に驚いたという。こうした脇役の一品にまで手を抜かないところに、港町の料亭としての実力がにじんでいる。
気軽に立ち寄れる老舗として
食彩 太信は、JR常磐線の大津港駅から徒歩2分ほどの場所で営む老舗料亭だ。地域の人にも観光客にも長年愛されてきたが、敷居の高さは感じさせない。気軽に立ち寄れる食堂を備え、一人のランチから大型バスの団体まで柔軟に迎え入れる。ランチからコース料理、仕出し弁当、ケータリングまで対応し、必要な場面にそのつど寄り添っている。
営業は月・火・木・金・土が11時30分から14時と17時から21時、日曜は昼のみ、水曜が定休。予約や個室の相談は電話(0293-46-5511)で受け付けている。北茨城を訪れたなら、この地でしか出会えない海の幸を確かめに立ち寄ってみてほしい。


